Aπραξία

光学測定器

さまざまな干渉計:マイケルソン干渉計(1)

2025.10.2

さまざまな干渉計:マイケルソン干渉計(1)

本シリーズでは様々なシーンで利用される干渉計について、その原理や応用例などを解説する。今回はマイケルソン干渉計について紹介する。

本シリーズの記事はこちらから:
さまざまな干渉計:干渉計の分類
さまざまな干渉計:フィゾー干渉計(1)
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さまざまな干渉計:フィゾー干渉計(3)
さまざまな干渉計:トワイマン・グリーン干渉計(1)
さまざまな干渉計:トワイマン・グリーン干渉計(2)
さまざまな干渉計:トワイマン・グリーン干渉計(3)
さまざまな干渉計:トワイマン・グリーン干渉計(4)
さまざまな干渉計:マッハ・ツェンダー干渉計
本シリーズでは干渉計の分類の記事内の図1のように干渉計を分類しており、今回は線形光学干渉計の1種である「マイケルソン干渉計」について紹介する。

 

マイケルソン干渉計は光路に2つに分けて反射させ、再び合流させることで干渉縞を生み出す装置であり、最も一般的な干渉計として知られている。2つの光路差を干渉縞として観測することで、光の波長や屈折率、長さの微小な変化を高精度に測定することが可能であり、光学実験や精密計測に広く用いられる。1881年頃にMichelsonが発明し、1887年にマイケルソン・モーリーの実験で使用された。

 

この干渉計は1つのビームスプリッタと2つのミラーで構成される。図1にマイケルソン干渉計のレイアウトを示す。光源(図1ではレーザーで表記)から出た光線はビームスプリッタ(BS)に当たり、2つの光路に分けられる。それぞれの光はミラーで反射し、再びBSに戻って合波し、光路差に応じたフリンジ(干渉縞)がスクリーンに出力される。

 

図1:マイケルソン干渉計のレイアウト

 

マイケルソン干渉計が用いられる代表例として、フーリエ変換赤外分光計(Fourier Transform Infrared Spectroscopy、FTIR)を紹介する。FTIRは赤外線を使って物質の化学構造や組成を解析する強力な分析手法である。図2左にFTIRのレイアウトを示す。赤外線光源から出た光線はコリメータレンズによって平行な光束に変換され、ビームスプリッタ(BS)により2つの光路に分けられる。一方の光は固定鏡で反射し、もう一方の光は移動鏡で反射した後、BSに戻って合波し干渉縞が生じる。合波した光線は試料を透過し、集光レンズによって検出器上に集められる。FTIRでは、まず合波した光線が試料を通過する際に、試料の特性に応じて特定の波長が吸収される。加えて、可動鏡を移動させることで光路差が発生し、これにより干渉縞の強度が変化する。この強度の時間変化と光路差の関係を検出器で取得する。取得した強度変化データをフーリエ変換することで、最終的に波長ごとの吸収スペクトルを得ることができる(図2右)。変換の詳細については、別記事「フーリエ分光器の利得(1):基本構成と原理」を参照されたい。

 

図2:FTIRのレイアウト(左)と、検出器で得られるデータのイメージ(右)

 

次回も引き続きマイケルソン干渉計の解説を行う。

この記事の監修者プロフィール

内山 允史

趣味は天文と写真と車。大学では天文サークルに所属し、暗い空を求めて日本中を飛び回っていた。 天文学を極めるために大学院に進学、在籍中は中間赤外線分光器の開発に従事。 カメラやレンズに関する記事を主に担当。

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