
これまで5回にわたり、カメラに使用されるさまざまなイメージセンサーについて紹介してきた。最終回となる今回は、これまで紹介したセンサーサイズをまとめ、全体を比較する。
図1〜図3に、1型以下から大判までを含めた各センサーサイズ(フィルム規格も含む)の比較図を示す。また、表1には各センサーのサイズ、アスペクト比、フルサイズ換算係数などをまとめた。
1型以下の小型センサーは、限られたスペースや用途に応じて、スマートフォンや車載カメラ、セキュリティカメラ、内視鏡などで採用されている。一方、1型からフルサイズまでのセンサーは、多くの民生用カメラで採用されており、とりわけフォーサーズ以上の大きいサイズはレンズ交換式カメラで広く使用されている。さらにフルサイズより大きいサイズでは、現在の民生用カメラにおいては44×33 mmや54×40 mmといった中判センサーが使用されている。それ以上の大型センサーは、産業用・科学用途では存在するものの、民生用カメラではほとんど使用されておらず、今回の比較ではフィルム時代のフォーマットを掲載している。
これまでの第1回から第5回では、「1型」「APS-C」「フルサイズ」「中判」といったセンサーサイズの名称について、その成り立ちや特徴も含めて解説した。普段カメラのスペック表などで目にするこれらの名称は、必ずしも実際のセンサー寸法を直接表しているわけではない。「1型」のように撮像管に由来するものや、「APS-C」のようにフィルム規格に由来するもの、「中判」のようにフィルム時代のフォーマットを受け継いだものなど、その名称にはそれぞれ異なる歴史的背景がある。
今回調査したセンサーの中で、最小の1/36型センサーと中判センサー54×40 mmを比べると、対角長で約82倍、面積では約6,500倍もの差がある。さらに大判フィルム8×10判と比べた場合には、対角長で約400倍、面積では約156,000倍もの差となる。このように、イメージセンサーや撮影フォーマットには非常に幅広いサイズが存在している。ただし、センサーは大きければよいというものではなく、センサーが大きくなるほど、一般的には高画質化や高感度化などの面で有利になる一方、カメラやレンズの大型化、重量増加、製造コストの上昇などにつながる。反対に、小型センサーは撮像面積が小さいことによる制約がある一方で、カメラやレンズを小型・軽量化しやすく、限られたスペースへの実装にも適している。そのため、スマートフォンから大型の中判カメラまで、それぞれの用途に適したセンサーサイズが選択されている。また、実際の撮影性能はセンサーサイズだけで決まるものではなく、画素数、画素サイズ、読み出し速度、画像処理技術、レンズ性能など、さまざまな要素によって決まる。センサーサイズはそれらを考えるうえでの重要な要素の一つであり、用途に応じて適切なサイズを選択することが重要である。
ここまで全6回にわたり、カメラで使用されるさまざまなイメージセンサーについて紹介した。普段何気なく目にする「1型」「APS-C」「フルサイズ」「中判」といった名称について、その大きさだけでなく、名称の由来や用途まで含めて知ることで、イメージセンサーについてより身近に感じ、理解を深めるきっかけとなれば幸いである。

図1:1型以下のサイズ比較図

図2:1型~フルサイズのサイズ比較図

図3:フルサイズ~大判のサイズ比較図

趣味は天文と写真と車。大学では天文サークルに所属し、暗い空を求めて日本中を飛び回っていた。 天文学を極めるために大学院に進学、在籍中は中間赤外線分光器の開発に従事。 カメラやレンズに関する記事を主に担当。
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